膀胱がん日記 EXITENTIALISM

出口あり?なし?

内田春菊「がんまんが」手術編

ブログを毎日淡々と書いているように思われそうですが、実は下書きに書き溜めたものをタイトル毎1日ずつUPしているので必ずしもその日に書いたものばかりではありません。

三連休中は気分がすぐれず、布団を敷きっぱなしパジャマ着っぱなしで寝てばかり。寝ても寝ても眠れる。休み明けの早朝から打ち合わせがあって書類を作らなくてはならないのにパソコンを開く気力が出ない。前日の夜にやっと最低限の仕事を終わらせて、シャワーは当日の朝入ることに。ブログは書けるのに仕事が苦痛。新型うつですか??

帰宅して『じたばたナース』水谷緑/著を読んで少し気分が⤴︎⤴︎その時に以前紹介した内田春菊/著『がんまんが』のKindle版を買ってみた。 分冊版の1〜8話までの総集編で、がん発見から手術までのことが描かれています。

 

 

この本を読んで、あの波乱万丈な人生をおくってきた内田春菊さんでさえもストーマに動揺するのだから、自分が動揺しても全然普通なんだと妙に納得をしました。

ほっこりナース漫画

膀胱がんの事ばかり調べていたら気分が落ち込み寝込んでしまった。そんな時は漫画を読んでほっこり。

kindle

↓単行本

ネットで偶然みつけ夢中になって読んでしまった。エッセイ漫画が流行ってるので看護師経験者が描いたものだと思っていたのだけれど、著者は元広告制作会社勤務だったみたい。↓のサイトで1〜91話読めます。

マンガ・じたばたナース【全記事まとめ】|看護roo![カンゴルー]|看護roo![カンゴルー]

患者さんの表現がとてもリアル。特にお年寄り。母が認知症だから共感する。86話とか。不安なんだよね。

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まだ母が若い頃、骨折で入院していた時に差し入れしたら喜んでくれた漫画は「おたんこナース」。佐々木倫子の「動物のお医者さん」は何度も読んだな。懐かしい。

おたんこナース 文庫版 コミック 全5巻完結セット (小学館文庫)

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膀胱を取らない方法(実験的治療)

自分が膀胱がんだと知った時、何も分からなかったので、とにかく調べました。初期がんの場合は腫瘍を取り除き経過観察だが、筋層まで達していた場合は膀胱を取らなくてはならないと知り、かなり抵抗があった。それは他の人も同様のようで、膀胱温存の治療法を選んだ人の記事やブログもたくさん読んだ。だが生存率が低い。私の自己調べでは生存率5年だ。それでも、その5年を活動的に過ごせたら悔いは無いのかもしれない。放射線抗がん剤治療で体力が衰弱して入院生活の5年なら後悔が残るかもしれない。

膀胱温存療法をしている病院は関東・関西都市部で膀胱がんの実力病院 進行性でも温存療法|健康・医療|NIKKEI STYLE、現実的に自分が通える病院は無いと思っていたのだが、大学病院でやっていると知った。さすが大学病院、実験的治療に積極的だ。

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『治療の欠点』を読むと、温存療法をしても浸潤がんが再発した場合は全摘手術。ただし放射線治療で小腸に影響が出ているので温存療法前であれば選べた尿路変更術が使えないと書いてある。回腸導管や新設膀胱は難しいのであろう。f:id:horiemi:20181008213115j:image

参考資料:膀胱癌に対する膀胱温存療法 | 北海道大学大学院医学研究院 腎泌尿器外科学教室

 

ドクターハラスメント

この歳になると、体調不良で病院にかかる機会が年々増えてくる。友人・知人も病院通いしている人が多い。時々「医者の言葉に傷ついた」と漏らす人がいる。医者も悪気は無いのだろうが、患者は医者が思っている以上にナーバスだ。

 

私がかかっている泌尿器科の担当医は、とにかく説明が少ない。こちらが積極的に訊かないと状況を教えてくれない。そのくせ「膀胱を取る可能性もある」と診察の度に言うので、ある日「先生、いつも地味に脅かしますよね😥」と言ってみた。すると「脅かさないと、治ったと思って途中で検診に来なくなる人もいるんだよね」と、おっしゃった。その言葉で少し納得したけれど、それまではその言葉を言われると落ち込んだし『この医師は、手術オタクで膀胱を取る手術をしたいのかな??マッドサイエンス系か??』とあらぬ疑いを持ってしまった。説明が少ないのも、詳しく説明して患者を混乱(不安に)させても…という独特の配慮なのかも??と良い方に解釈して、これから疑問は積極的に質問して良い関係を築きたい、と思っている。

医者と患者の相性は少なからずあると思う。医者とて人間だから横柄だったり怒りっぽい患者には苦手意識を持つだろう。かといって何でもハイハイと医者の言いなりになるには「膀胱摘出」という治療は大きすぎる。

…5月の検診で再発の見落としがあったし、術後の体調不良を電話したのに膀胱炎だと見抜けなかったし…少しずつ病院に対する不信感が…😓とにかく医者や病院任せにせず、自身の身体のことは自分にしか分からないのだから、自身で体調の変化に敏感にならなくては。

膀胱がんの標準治療・尿路変更術

退院の前日、執刀医S医師の回診があった時に尿路変更術について質問をした。私が入院している病院は、回腸導管増設術(ストーマ)では過去にそれなりの実績はあるが、新膀胱増設術(自排尿型)の実績が無かった。このままこの病院で治療・検診を続けていて、もし万が一浸潤性のがんに発展してしまった場合、選択肢が「回腸導管増設術(ストーマ)」しかないことに、ずっと不安があった。そうでなくても担当のM医師は口数が少なく治療方法などについても鮮明な説明をするタイプではない(病理検査結果のコピーもくれない)ので、私の意思を無視して勝手に治療法を決めそうで本当に不安なのだ。その時になってセカンドオピニオンを探して手遅れになるのも嫌なので手術実績を確認しておきたかった。

S医師の話では「あなたの(今のがん)は膀胱摘出になるようなものではないので大丈夫ですよ」と前置きをしてから、自分は別の病院で新膀胱増設術の経験があるが、女性の場合、自排尿型は予後が悪いと説明された。

それは充分承知していた。実際に手術になった時に、どの術式・治療法を選ぶかはその時の年齢や体調によって決まるのだから先のことは分からない。ただ、選択肢のある中で選ぶのと、それしか選ぶものが無いから選ぶのとでは気の持ちようが違う。「もし将来的に全摘手術が必要になり、自排尿型を選びたいと言ったら、その時はS先生に執刀をお願いできますか?」と私は言った。S医師は、返事の明言を避けたが、私の気持ちを伝えたかっただけなので、それでもよい。

膀胱がんの治療方法は、他のがんに比べて遅れているとどこかで読んだ記憶がある。でも2018年から保険適用外だったダビンチ手術(ロボット手術)が膀胱がん保険適用になったりと少しずつは進歩しているようだ。QOL(生活の質)を損なわない治療方法が将来的に開発される事を願う。

松田優作は生きている!

何故かyou tubeのおすすめに松田優作の動画が上がっていたので観てみた。2008年 松田優作の20回忌 特別記念番組『松田優作は生きている!』だ。

松田優作のファンクラブを設立し松田優作の写真を撮り続け、後にスチールカメラマンとなる渡邊さんや桃井かおりさんなど当時親交のあった人々の発言などを交えながら進んで行く。

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膀胱がんの症状については直接語られていないが、映画『ブラックレイン』撮影中の話などを聞くと、松田優作アメリカ移住も視野に入れて撮影していたようだ。膀胱摘出は拒んだけれど、その時点で死を覚悟していた訳でないことが分かる。

20回忌 特別番組『松田優作は生きている!』(1/3) - YouTube

20回忌 特別番組『松田優作は生きている!』(2/3) - YouTube

20回忌 特別番組『松田優作は生きている!』(3/3) - YouTube

松田優作20回忌特別番組 松田優作は生きている:テレビ東京

膀胱がんの標準治療その2

膀胱がんの手術には、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)と膀胱全摘除術(尿路変更術)の2つがある。

表在性の筋層非浸潤がん(Ta、T1)の場合、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)で腫瘍を切除する。再発した場合は、再度同じ手術で腫瘍を取り除き、抗がん剤注入療法、もしくはBCG注入療法へと進む。

上皮内がん(TisCIS)の場合、2th TURBT(再手術)で癌の広がりや悪性度を見極めBCG注入療法を経て、それでも効果が出ない場合は膀胱全摘術に進む。

筋層浸潤がん(T2〜T4)の内、他臓器転移なしの場合は、転移を防ぐために膀胱全摘(尿路変更)。転移あり(ステージIV)の場合は、膀胱を摘出せず放射線治療や抗がん治療を行う。

このように癌が筋層へ浸潤しているか、していないか、他臓器に転移しているか、していないかで、手術・治療の内容が大きく変わる。膀胱を摘出する理由が、転移を防ぐためであることがよくわかる。

膀胱全摘が決まったら、次は尿路変更術の方法を選ぶ。大きく分けてストーマと自排尿型の2つある。

TURBT 経尿道的膀胱腫瘍摘出術その後の治療法 - EXITENTIALISM 膀胱がん日記

尿路変更術 - 膀胱がん日記 EXITENTIALISM

参考資料[医師監修・作成]膀胱がんの生存率:ステージIII、IVの生存率(余命)、治療法の解説 | MEDLEY(メドレー)