膀胱がん日記 EXITENTIALISM

出口あり?なし?

膀胱がんの標準治療・尿路変更術

退院の前日、執刀医S医師の回診があった時に尿路変更術について質問をした。私が入院している病院は、回腸導管増設術(ストーマ)では過去にそれなりの実績はあるが、新膀胱増設術(自排尿型)の実績が無かった。このままこの病院で治療・検診を続けていて、もし万が一浸潤性のがんに発展してしまった場合、選択肢が「回腸導管増設術(ストーマ)」しかないことに、ずっと不安があった。そうでなくても担当のM医師は口数が少なく治療方法などについても鮮明な説明をするタイプではない(病理検査結果のコピーもくれない)ので、私の意思を無視して勝手に治療法を決めそうで本当に不安なのだ。その時になってセカンドオピニオンを探して手遅れになるのも嫌なので手術実績を確認しておきたかった。

S医師の話では「あなたの(今のがん)は膀胱摘出になるようなものではないので大丈夫ですよ」と前置きをしてから、自分は別の病院で新膀胱増設術の経験があるが、女性の場合、自排尿型は予後が悪いと説明された。

それは充分承知していた。実際に手術になった時に、どの術式・治療法を選ぶかはその時の年齢や体調によって決まるのだから先のことは分からない。ただ、選択肢のある中で選ぶのと、それしか選ぶものが無いから選ぶのとでは気の持ちようが違う。「もし将来的に全摘手術が必要になり、自排尿型を選びたいと言ったら、その時はS先生に執刀をお願いできますか?」と私は言った。S医師は、返事の明言を避けたが、私の気持ちを伝えたかっただけなので、それでもよい。

膀胱がんの治療方法は、他のがんに比べて遅れているとどこかで読んだ記憶がある。でも2018年から保険適用外だったダビンチ手術(ロボット手術)が膀胱がん保険適用になったりと少しずつは進歩しているようだ。QOL(生活の質)を損なわない治療方法が将来的に開発される事を願う。